我が国では、小学生は 1 年生から子どもだけで歩いて登下校することが一般的である。小学生の登下校の安全性を確保するための取り組みとして、集団登下校を実施している学校も多く見られるが、集団登下校の交通安全効果を明らかにした研究は見られない。そこで本研究では、集団登下校の実施が小学生の登下校中の交通事故頻度に与える影響について実態分析を行うことを目的とする。具体的には、まず、都道府県別の小学生数および集団登下校実施学校率と、小学生の通学等目的での事故頻度との関係性について、基礎分析および統計モデル分析を行った。また、愛知県内市区町村を対象として、PT データを用いて集団登校トリップ率を推定した上で、小学生事故頻度との関係性の分析を行った。その結果、集団登下校が一定の交通安全効果を持つことが示唆された。