2025 年 11 巻 2 号 p. A_264-A_270
本研究では,最初にプローブ旅行時間を用いて信号交差点各アプローチにおける交通流状態を判定する手法を考案する.続いて,判定された交通流状態に基づいて,リアルタイムにスプリット等の信号制御パラメータを逐次更新する信号制御手法を構築する.同手法においては,交通流状態を過飽和状態/近飽和状態/非飽和状態の 3 状態からなる状態変数として取り扱い,本稿にて定義する青時間使用率を用いて,近飽和状態と非飽和状態の判別を行う.また,実交差点を対象とし,実交通量を用いた交通シミュレーション実験を実施し,同信号制御手法の有効性検証を行う.検証により,本稿が提案する信号制御手法の実施によって,車両遅れ時間が短縮されるとの結果が得られた.