2025 年 11 巻 2 号 p. A_257-A_263
本研究では,デジタル道路地図(DRM; Digital Road Map)の詳細な道路ネットワークから任意のサイズに集約し,かつ集約リンクにおける合成リンク容量の算出方法を提案した.提案した手法では,まず DRM の各リンクへの容量の付与,分岐しないリンク等の単純集約を行った.その上で,ロジットモデルの経路選択確率を援用し外生的に与えた代表ノードペア間に割り当てられるリンク容量を設定し,最大フロー問題を解くことにより代表ノードペア間の合成容量を算出した.提案した手法を鹿児島都市圏の小規模エリアに適用し,代表ノードペア間へのリンク容量の割り当て方法により合成容量が異なることを確認し,その原因を推察した.さらに,提案した手法を鹿児島都市圏全体に適用し,合成容量はロジットモデルの分散パラメータの値の影響を受けづらいことを確認した.