2016 年 2 巻 1 号 p. 11-20
本研究では、時間帯別OD 交通量の観測リンク交通量からの逆推定手法として、日OD 交通量の時間変動係数を逆推定する手法を提案した。まず、アンケート調査によるOD 交通量からの時間変動パターンでは、ピーク時の時間変動係数が大きく夜間では逆に小さくなるバイアスがあり、大型車においてこの傾向が顕著であることが確認できた。そこで、時間帯別OD 交通量の観測リンク交通量からの逆推定手法として、日OD 交通量を与件として、時間変動係数を逆推定するモデルを、残差最小化モデルとして構築しその最適性条件と解法を示した。次に配分結果から、初期OD 交通量の配分結果よりも精度は大きく改善することが分かった。最後に、逆推定モデルから得られる OD 交通量を発時刻ベースのOD 交通量に変換する計算式を示し、この妥当性を配分計算において検証できた。