2016 年 2 巻 2 号 p. A_125-A_133
本研究では、自転車専用通行帯及び車道路肩部のそれぞれ幅員の違う路線において、視点を解析することができるアイマークレコーダを用いた自転車走行実験を行い、自転車を追い越していく自動車から受ける影響に関して分析を行った。その結果、調査対象路線の中で走行空間幅員が 1m と最も狭かった路線においては、自動車の追い越し台数が増加するにつれて自らの走行場所である車道路肩を注視する時間や回数が増加していた。また、「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」で望ましいとされている幅員 1.5 m以上の、幅員が 1.85 mの路線においては自転車を追い越す自動車台数が増加するほどサッカードが発生していること、それよりもさらに幅員の広い路線では注視挙動に自動車交通の影響がみられなくなることが明らかになった。