2016 年 2 巻 2 号 p. A_151-A_159
地方部を中心として少子高齢化等の人口に関する問題が深刻化している.またモータリゼーションの発達は,元々地域に根付いていた公共交通利用を減少させ,公共交通の衰退へと追い込んでいる.その一方,高齢化が進展し自動車が運転できなくなる者が一気に増加し,自動車以外の移動手段を確保する必要性が指摘されている.そこで,一部地域で導入が見られる「予約型移動サービス」の運行によって居住者の日常生活における不安が軽減する可能性があるか,その傾向を分析した.その結果,1) 予約型移動サービスを運行することにより,居住者の不安の一部を軽減する可能性があること,2) 個人属性によって予約型移動サービス利用促進につながると考えられる対策が異なり,導入からの時期に応じて対策を検討する必要があること,などが明らかとなった.