交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
ISSN-L : 2187-2929
特集号A(研究論文)
ドライビングシミュレータを用いた追従積重ね試験による 異なる縦断線形間の最小交通流率断面位置の比較
大月 崇照葛西 誠寺部 慎太郎
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2016 年 2 巻 2 号 p. A_160-A_165

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抄録

高速道路単路部において、ボトルネックとなりうるサグかそうでないサグかを予測することは極めて難しい問題として知られている。本論文では、縦断線形の影響以外の実験条件を統一することが可能なドライビングシミュレータを用いて、追従積重ね試験を実施し、異なる縦断線形(平坦路と 2 種類のサグ)による交通流の比較を行なう。線形による影響を最も簡単に比較する方法として、最小交通流率断面の位置と、そのときの最小交通流率を指標として議論する。結果からは、平坦路とサグの流率最小位置の差異は確認されるが、2 つのサグの間での流率最小位置に明確な差が見られず、非常に緩やかなサグでもボトルネックとなり得ることが示唆される。これらを受け、サグ間の相互作用が存在する可能性など、今後議論すべきいくつかの視点を提供する。

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© 2016 一般社団法人 交通工学研究会
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