抄録
我が国の高速道路では、情報の判読性向上を期待し、シンボルを表示する可変式道路情報板が導入されつつあるが、現行のシンボルの中にはドライバーに正しく理解されていないと指摘されるものが多い。 そこで、本研究では発生頻度や重要度を考慮して、事故、火災、落下物に着目し、これらの事象を示す新たなシンボルを考案した。そして、JIS や ISO に定められている評価試験方法を参考に、「可読性」、「理解度」、「適切性」に関する評価項目を設けて、運転状況下で上記シンボルが情報伝達に有効に機能するか現行シンボルとの比較を通じて分析した。その結果、たとえば事故の場合、細かい描写を避け、衝突事故のように発生頻度の高い具体的事象で表現することで高い評価が得られるなど、提示する情報を伝達するのに適したシンボルデザインに関する知見を得た。