2016 年 2 巻 2 号 p. A_92-A_99
本研究は増加が見込まれる自転車交通について、交通容量や交通制御の観点から走行環境整備のあり方を検討するための基礎的知見を得ることを目的に、信号交差点における自転車の発進挙動の分析を行 った。十分な交通需要があり走行方法が均一化された状況にある自転車交通流を対象とした調査により得られたデータに基づき、車頭時間、発進遅れ、飽和交通流率について考察した。 その結果、自転車の発進遅れの影響は車頭時間特性から判断することは難しく飽和交通流率の変動から検討する必要があること、自転車は自動車よりも発進遅れの影響が後続車両に残りやすいこと、飽和交通流率は 2,900~3,200 台/青 1 時間程度で自動車に比べ捌け台数が多い傾向にあること、自転車の発進挙動は道路幾何構造や左折自動車の影響を受ける可能性があることがわかった。