2018 年 4 巻 1 号 p. A_216-A_222
道路の交通機能上の性能評価に際し、交通量 Q と旅行速度 V の関係、すなわち QV 関係は重要な役割を果たす。しかし、信号交差点を有する一般道路の QV 関係は、日交通量と日平均旅行速度の関係に留まっており、動的な交通状況変化を取り扱う有効な施策の実施にむけては、より詳細な時間的解像度を有する QV 関係を得ることが必要と考えられる。そこで本研究では、複数の信号交差点を含む道路路線を対象に、路線内で不均一となる交通量の代表値として空間平均交通量を定義した後、複数路線を対象に空間平均交通量と平均旅行速度の関係を分析する。空間平均交通量を説明変数に含み平均旅行速度を目的変数とする重回帰分析を行った結果、決定係数 0.77 の説明力を有するモデルが構築された。また、道路幾何構造に加えて、時間帯の違いが QV 関係に有意に影響を与えることが示された。