2018 年 4 巻 1 号 p. B_1-B_5
無信号横断歩道において運転者に歩行者保護義務の遵守を意識づけさせるために、歩車間のコミュニケーションを活性化させることを念頭に、運転者からの譲り合図により歩行者による横断開始の意思決定がスムースになるか否かを検証した。実際の道路上において、無信号横断歩道で偶然出会った歩行者に対して道を譲る実験を行ったところ、運転者からの譲り合図がある場合はない場合に比べて、車両の位置がより遠い、または車両の速度がより速い状況でも横断を開始する傾向が確認された。 歩行者は車両が減速状態であることを横断開始の重要な判断基準としつつも、さらに運転者からの合図を受けることによって譲歩意図をより確実に認識でき、その結果として、横断開始の意思決定がよりスムースになるものと考えられた。