2018 年 4 巻 1 号 p. A_302-A_309
地球環境問題が指摘される中で、我が国の二酸化炭素排出量は依然として世界上位に位置しており、交通分野においても環境にやさしい都市への転換が求められている。そのためにも交通環境負荷量の適切な推計が重要であるが、従来からこの推計の基礎データとして用いられてきたパーソントリップ調査データは、財政制約等を要因として十分に把握がなされていない。一方で、携帯電話基地局データを基にした人口流動統計の活用が検討され始めているが、交通手段や移動目的が不明であるなど、活用に向けては課題が山積している。 このような状況を踏まえ、本研究では都市構造分析評価の一指標として用いられる交通エネルギー消費量を人口流動統計から推計する手法を検討した。