抄録
1995 年以降に発生した 8 つの大地震において,地震による死傷者数が人口の 0.1%以上であった市区町村を対象とし,発生前後の交通事故を道路交通環境に着目して分析した.地震発生後の経過月別にみると,大地震発生直後には交通事故は減少するが,すぐに二輪車事故を中心に上昇傾向となった.人口 10 万人以上の都市を含む地震の場合,前後 1 年を比較すると,交通事故は増加傾向にあることが示された.人口の集積状況別に交通事故を比較すると,市街地 (DID 地区以外) の増加率が特に高くなっており,非市街地ではあまり増加していなかった.また,夜間事故と比較して昼間事故の増加率が高い傾向にあることなどが示された.これらの増加要因を正確に説明することは難しいが,交通手段の利用頻度や道路交通インフラの毀損状況などが影響していると考えられる.