高速道路と一般道路の経路選択行動はトラック事業者が最終的に意志決定をしているが、荷主との契約も大きく影響を与えていると想定される。本研究ではまず、トラック事業者にヒアリングを行い、荷主と交わす契約が経路選択に影響を与えていることを確認した。同時に、経営的に厳しく、高速道路料金や所要時間によらず、固定的に一般道路を利用する事業者の存在も明らかになった。次に調査結果を踏まえ、新潟県トラック協会に加盟している佐渡地域と霊柩を除く全事業者を対象に、経路選択に関する SP 調査を実施した。さらに、選択行動のみを仮定する2 項ロジットモデルと、一般道路固定層を考慮した経路選択モデルを構築し、尤度比の観点から後者の説明力が高いことや、事業所属性によって選択層と一般道路固定層の帰属確率が表現できることを確認した。