2019 年 5 巻 2 号 p. A_80-A_89
道路交通の安全性・円滑性の観点から,自動運転技術の開発が急速に進められている.しかし,自動運転技術を搭載した車両が一般車両と混在した際,周辺の車両が受ける影響に関して運転者行動を含めて評価(社会受容性評価)した研究は希少である.先行研究では,ACC に着目し,臨界流に近い交通流を対象とし,ACC 車両が混在した交通流の特性や運転者行動を調査したが,本研究では,先行研究より高密度な交通流を対象とし,交通流の安全性・円滑性や運転者行動を明らかにした.その結果,高密度交通流においても,ACC 車両の混在比率が上昇することによって円滑性は向上したが,安全性に関しては潜在的な事故リスクが増えるケースが確認された.また,ACC 車両が混在することで,運転者には自身の運転および周囲に注意を向ける余裕が生じることが明らかとなった.