2019 年 5 巻 2 号 p. B_65-B_74
都市間高速道路の交通集中渋滞において、渋滞先頭地点が移動することは、従前から指摘されている。 しかしながら、このような渋滞遷移現象についての研究事例は少ない。そこで、本論では、東名阪自動車道(上)鈴鹿 IC~四日市 IC の約 10km を対象に、渋滞先頭地点の遷移と交通容量の関係を、交通容量への影響要因を踏まえて分析した。ETC2.0 プローブ情報の走行履歴データにより、渋滞先頭地点の遷移現象の分析を行い 118 回の遷移を確認した。これらの遷移に対し、交通容量への影響要因のカテゴリー毎に渋滞先頭地点の遷移発生状況を整理し、交通容量との比較を行った。この結果、交通容量の大小関係のみでは説明のできない遷移を確認し、渋滞先頭地点の遷移は、交通容量とは異なるメカニズムで発生していると推察された。