2020 年 6 巻 2 号 p. A_235-A_243
近年,我が国では,高齢運転者による交通事故が深刻な社会問題となっている.高齢運転者による交通事故は,加齢による身体能力・認知能力・判断能力の低下が要因で生じている.自動化運転の技術開発は,これらの能力低下を補う可能性を秘めているが,市街地道路での実用化は未だ先であると考えられる.したがって,高齢運転者の事故を未然に防ぐ技術開発が重要である.この技術は,自動車が運転者を特定していなければならない.本研究では,運転者の走行挙動に注視し,運転者を特定する手法を構築した.運転者の運転操作が複雑な交差点内の走行挙動に着目し,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いることで,高い精度で運転者の特定が可能であることが示唆された.