2021 年 7 巻 2 号 p. A_1-A_10
筆者らは、目的地までの予定経路を、案内標識情報にもとづいて推論しながら進むドライバーモデルの開発を進めてきた。その一環として、実在経路の走行画像を用いた実験に基づき、出発前の記憶情報と経路上の案内情報、分岐点同定に用いた情報との関係、予定経路を走行するための適切な分岐点の同定状況について分析した。その結果、市街地で交差点が近接し、交差点名標識が充実している場合には、交差点名を用いる被験者の成功率は極めて高く、交差点名を用いない被験者の成功率は低いことなどを示した。さらにモデルによる分岐点同定の推定結果と実験結果とを「手前で分岐」と「分岐点同定・通過」の 2 区分で比較し、推定モデルが十分に分岐点同定状況を推定できることを示した。