本研究では,2 か所の観測調査データにもとづき,二段階横断施設とその付近を利用した歩行者及び自転車について,乱横断をしやすい横断者の特徴や乱横断挙動と周辺状況に関する分析を行った.まず,乱横断を行う横断者の移動軌跡を調べることで,駅に向かう動線や近接する交差点を使って短絡できる動線で乱横断が生じやすいことを示した.次に,乱横断を行う横断者の属性を調べることで,会社員が乱横断しやすいことを示した.また,高齢者や主婦が乱横断しやすい状況,歩行者と自転車の乱横断発生状況の違いを明らかにした.さらに,統計分析により,乱横断することで移動距離が大幅に短縮できる場合に乱横断が発生しやすく,また,乱横断は周囲の横断者の存在にも影響されることを示した.