わが国の交差点では依然として多く交通渋滞が発生し、円滑な交通流が阻害されている。一方近年、高速道路での長期的な交通容量の低減が注目されており、そうした現象は一般道においてもあてはまることが考えられる。そこで本研究は交差点停止時に滞留する車列内の車間距離について着目し、その大きさの経年変化の有無とそうした変化による交通流への影響について調べた。
結果は、特に 2000 年代ごろから停止時車間距離は徐々に拡大しており、その拡大幅はおよそ 30 年前に比べ 1m ほどであった。またこうした経年変化の要因について調べたところ、車種が要因であるとは言えず、運転者の運転行動の変化による可能性が考えられた。さらに停止時車間距離が 1m 拡大すると、交差点での滞留車列長がおよそ 15%拡大することも判明した。