長野市中心市街地では、域内の活性化策のひとつとして、歩行者の回遊性向上を目的とした歩行者優先道路化事業が行われている。今後本事業をより広範囲に展開していくためにはより効率的かつ効果的な整備を目指す必要がある。そこで本研究では、人の知覚情報のうち視覚からの情報が 83 パーセントであることに着目し、歩行空間構成要素に対する着目度や、奥行きを表す着目距離などの視覚情報と街路評価の関係を明らかにすることで、街路の評価に影響を与える要素を明らかにした。結果として、着目度が街路の評価に影響を与えることが明らかとなった。また、着目度に対しては歩行空間構成要素の占有率や着目距離が影響を与えている可能性が示されたため、街路整備を行う際には街路の奥行きや歩行空間構成要素ごとの占有面積も考慮する必要性が示された。