2021 年 7 巻 2 号 p. A_60-A_67
本研究は、高校生と大学生を対象に、自転車利用のルール/マナー遵守を促すことを目的とした交通安全教育に関する情報提供を含めた Web アンケート調査を行い、意識変容の効果を検証することを目的とする。具体的には、「傘さし運転」、「ながらスマホ運転」、「押しチャリ」の 3 つの運転方法を対象に、2 種類の文章と 2 種類の写真を組み合わせた計 4 種類の異なる情報を 4 グループに対して提供し、意識変容効果の違いを分析した。その結果、高校生は 4 種類全ての情報で行動意図が向上したが、大学生は心理的リアクタンスに配慮した放任的メッセージとルール/マナー違反の写真を組み合わせた情報提供を行ったグループのみ行動意図が向上し、一ヶ月後もその効果は継続していた。また、自転車利用頻度や事故経験等が意識変容に影響を与えることを明らかにした。