近年、動的交通制御による渋滞対策が検討されているが、車線利用に対して動的に介入する制御方法に関しては、適切なデータが存在しないため、知見が少ないのが現状である。そこで本研究では、ランプからの合流を含む区間で収集した車両走行軌跡データに基づき車線利用と区間旅行時間の関係を定量化することを目的とした。具体的には、車線利用と交通渋滞状況を一定時間間隔で集計し、両者の関係を説明する回帰モデルを構築した。パラメータ推定の結果、車線変更禁止区間を含む対象区間では、臨界状態付近において、追越車線利用率を増やすことにより区間全体の旅行時間の減少につながることを明らかとした。また、その際の集計時間間隔は短すぎても長すぎても効果が低減し、概ね 60 秒とするのが適切であることが示唆された。