2022 年 8 巻 2 号 p. A_232-A_239
我が国における交通事故の発生状況は改善の傾向を示しているが、今後は次世代交通の開発などに伴い、道路交通環境の急激な変化が考えられる。その中で、AI(人工知能)によりビックデータを解析し、従来手法では困難であった事象を予測する動きが各分野で多く見られる。交通安全分野においても、警視庁が AI を活用した交通事故の発生予測を行い、効果的な取締り活動の実施を目指している。そこで本研究では、AI の一種である Q学習を活用することで、最適な取締り活動の実施場所を予測するモデルを構築した。さらに、予測結果をもとに取締り活動による交通事故の抑止効果を定量的に評価することで、今後の取締り活動の効果的な実施方法に関する知見を得た。