2022 年 8 巻 2 号 p. A_319-A_327
自動運転車の普及は、安全面や交通円滑性において正の効用が期待される一方で、駐車場の立地や総数にも影響を与える可能性が高い。例えば、駐車場や自動車の利用方法の変化は駐車場の立地の自由度を増加させ、車両のシェアリングの普及により駐車場の需要が減少することが考えられる。そこで本研究は自動運転車両のシェアリングサービスの普及が、駐車場の配置や総量に与える影響を定量的に把握することを目的とする。シェアリングサービス普及シナリオごとにライドシェアのマッチングや駐車場のアクセス・イグレストリップ追加のシミュレーションを行い、環境、経済、社会の観点からそれぞれのシナリオに適した駐車場集約度合を検討した。その結果、シェアリングサービスが普及するほど大規模な駐車場の集約を行うことが望ましいと判明した。