緩衝型のワイヤロープ式防護柵は、支柱が細いので必要幅が少なく、既存道路への設置や狭い幅員の分離帯用として使用することが有利である。しかし、車両衝突時にたわむことで衝撃を吸収する構造上の特性から、車両衝突に対する変形性能を向上させることが困難であった。本研究ではワイヤロープ式防護柵の性能向上のために、車両衝突時の対向車線へのはみ出し量を少なくするロープ連結材を開発し、大型車衝突試験から、最適な仕様を決定した。さらに、車両衝突時に支柱が飛散しないようにする下部切欠き付き支柱を開発し、高速道路 A 種に対応する性能確認試験を行った。その結果、大型車両衝突時に対向車線へのはみだし量が約 60%低減し、変形性能が 2.5 倍向上した。