2022 年 8 巻 2 号 p. A_32-A_38
我が国では高齢化に伴い、高齢の運転免許保有者が増加している。それに伴い、免許返納者に対する優遇制度を採用するなど、自主返納者を支援する動きが近年活発化している。一方、免許返納者は運転免許を返納することで,健康や外出機会の減少が懸念される。そこで、本研究では、運転停止者の健康状態および QOL に影響を与える要因を分析し、運転停止後の健康維持について考察することを目的としている。その結果、運転停止者は免許保有者に比べ、外出頻度、QOL は低く、社会活動も活発でないことがわかった。また運転停止者の交通行動と QOL、社会活動の関連について、自転車利用者および鉄道・バス利用者の QOL が高く、社会活動が活発であることが示唆された。