2022 年 8 巻 2 号 p. A_22-A_31
現在,我が国において導入されている二段階横断施設の多くは横断歩道タイプである.本研究では,アンケート調査及び交通流シミュレーションを用いた分析により,歩行者横断指導線タイプの二段階横断施設の適用可能性を検討した.まず,アンケート調査の結果,我が国では,歩行者横断指導線における交通ルールの認知が進んでいない現状が明らかとなった.さらに,シミュレーションの結果から現状の認知度では,歩行者横断指導線タイプを導入しても横断歩道タイプを導入した場合と交通円滑性への影響は変わらないことが明らかとなった.一方で,歩行者横断指導線の交通ルールの認知が進むと自動車交通量が少ない条件で横断歩道タイプより自動車,歩行者双方の遅れ時間が小さくなる場合があることを示した.