無信号横断歩道での車両の一時停止率の低さが社会問題となっている。わが国は交通取締りや交通安全教育などにより運転者の規範意識の醸成に努めているが、横断歩道での効果的な交通管理についてはあまり検討されていない。そこで本研究では、単路部無信号横断歩道における一時停止率を高める対策を探るため、日本、英国、米国の交通法規と横断歩道設置基準に着目し国際比較を行った。その結果、英国では横断歩道の道路標示構成や警戒標識の設置位置を、米国では新たな道路標識を採用し横断歩道での車両の減速や譲りを促していることがわかった。また、わが国は法令に基づく一律な交通規制のため、英米のように車両に対しより踏み込んだ規制方法を検討する余地があることを明らかにした。