2022 年 8 巻 2 号 p. B_8-B_14
過疎地域においては、需要密度の低さや人材確保の困難性から、公共交通や物流も含めた諸サービスの水準を維持することが難しくなっている。貨客混載はこの問題への一つの対策法であるが、複数物流系事業者が関わる自家用運送旅客運送バスでの事業の実例は少ない。本研究は、郵便事業と2 宅配事業者が自治体と連携して村営バスを活用する西米良村の貨客混載事業に関し、本事業が開始可能となった関係者の合意内容および協議プロセス、そして残された課題について整理し報告したものである。特に、調整に時間を要した末端集配送の委託方法、運行ダイヤと関係者の作業工程、高齢者への声かけ等の複合サービス、今後の検討課題について詳細に紹介し、他の地域での展開に知見となると考えられる。