2023 年 9 巻 2 号 p. A_104-A_109
駅周辺の賑わいなど、現在の都市計画的なニーズには、歩行者動線の理解が必要不可欠である。しかし既存の PT 調査等では歩行者経路は把握されていない。本研究では、市販されている取得時間間隔 1 分程度の携帯 GPS データを用いて経路選択モデルを構築し、経路選択の要因を明らかにすることを目的として、歩行者の経路選択分析を行った。Cross Nested Logit モデルにより「経路長が短い・周辺に店舗が多い・右左折回数の少ない」といった特徴を持つ経路が選択されやすいことが示された。取得時間間隔 1 秒の GPS データを用いている既存研究と同様の歩行者の経路選択特性が得られた。このことから、市販 GPS を用いても歩行特性を得られる精度で経路を把握することが可能であり、市販 GPS データを用いたとしても歩行者動線の分析が可能であることが示唆された。