2023 年 9 巻 2 号 p. A_223-A_228
我が国での交通事故件数・死者数は年々減少しているが、歩行中死亡事故に着目すると約60%の歩行者が横断違反をして死亡事故に遭っており、横断歩道外横断のメカニズムに関して明らかにすることが必要である。そこで本研究では、無信号横断歩道でビデオ観察調査を行い、歩行者とドライバーの双方の行動を分析した。その結果、横断歩道外横断者は、左確認をしない、横断前会釈をしないなどの傾向があることが分かった。また歩行者は、奥側車線の自動車交通が流れている時に横断歩道を利用する傾向があることが明らかになった。道路環境に着目すると、横断歩道外横断をする要因として歩行可能領域が関連していることが把握され、横断歩道の位置と歩行可能領域を合わせて整備する必要性があることが示唆された。