無信号交差点における交通事故抑止対策として、安全裕度を確保するために停止線を交差点から大きく後退させる方法から、逆に停止線を交差点に近づけることで非優先側からの視認性及び安全意識を高める改善策を提案しその効果を検証した。具体的には、非優先側道路から優先側道路を見通しやすい位置に停止線を前進させるとともに横断歩道幅員を実効幅に適正化し、さらに停止線手前のカラー段差舗装により一時停止率向上と速度抑制を目指した。その結果、一時停止率は4.2%から9.3%へ最大5.1%向上し、停止線手前の区間平均速度は20.3km/hから17.3km/hへ最大3km/h低下した。以上より、一時停止率向上と速度抑制に一定の効果を確認し、同様の無信号交差点における事故抑止対策としての応用可能性を示唆した。