本研究では、福井県高浜町の住民を対象にアンケート調査を実施し、住民が普段利用している主な移動手段や移動に対する価値観とその意識変化を把握した。さらに、どのような要因が住民の主な移動手段に影響しているのか分析した。これらの結果、全体の主な移動手段は自動車の割合が高いが、後期高齢者では徒歩と自転車の割合が 57.3%であることが分かった。また、歩行にかかわる健康状態が移動手段の選択に強く影響していることが示された。さらに、移動に対する価値観として環境に優しい、速い、安い、健康に良いといった項目が影響を与えていることが明らかとなった。非高齢者に着目すると、加齢に伴い安心・安全な移動の重みは維持したまま、将来的には速い移動の重みは低下し、健康・環境の重みが増加することを確認することができた。