道路整備に伴う利便性向上によって交通需要が誘発され,想定した混雑緩和,時間短縮の効果が得られないという誘発交通問題が認識されている.そこで本研究では,2010,2015,2021 年の 3 カ年の道路交通センサスデータを用い,日本における一般道路整備に対する交通需要の弾力性を最小二乗法による回帰分析と固定効果を考慮した回帰分析で推定した.その結果,弾力性は 0.455〜0.916 となり,都市内の道路ネットワーク全体を集計的に捉えれば,道路整備により誘発交通が生じるものの,道路空間上の自動車の密度は増加しないことが明らかとなった.また,複数の属性で対象を限定した分析も行い,「どういった地域で」「どういうトリップが」誘発されやすいのかという特性を把握した.