2021 年 53 巻 1 号 p. 249-256
本研究の目的は,創造性と審美の相関性を検討し,美術教育における創造性を明確にするために,創造性と審美を併せた態度の尺度の作成である。そこで本稿では,創造性と審美が中学生にどのように育まれたかを考察するため態度尺度の妥当性を検討した。尚,本研究における創造性は,BeghettoとKaufmanの述べた,経験,行動,活動に対して自分なりの感じ方や見方をするという「mini-c」を用いることとした。4中学校における502名の生徒への2回の調査結果から,3つのことが分かった。1つ目は,今回作成した尺度にはある程度の融和性があること。2つ目は,美的価値を感じ取る力は,日常生活の中で新しい感じ方や見方を促す姿勢と相関性があること。3つ目は,自分自身が主体となる行為等には積極性が見られることに対して,他者や社会等,自分以外の存在への働きかけには消極的であることである。