脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726
原著
延髄梗塞の臨床的検討
山崎 貴史中瀬 泰然小倉 直子亀田 知明前田 哲也佐藤 雄一高野 大樹鈴木 明文長田 乾
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 29 巻 4 号 p. 502-507

詳細
抄録

急性期延髄梗塞連続114例を対象に臨床症状と画像所見との関連性を解析した. MRI所見は, 内側梗塞 (MMI) と外側梗塞 (LMI) に分類し, 発症年齢はMMI (68.3歳) がLMI (63.1歳) より有意に高齢であった. MMIはさらに錐体限局型と広範囲型に, LMIは背側型, 前腹側型, 後腹側型, 汎腹側型, 前外側型に分類した. MMIでは広範囲型が77.4%, LMIでは後腹側型が45.8%, 背側型が28.8%であった. MMIでは病巣分布にかかわらず顔を除く健側半身の感覚障害が49.1%, LMIの後腹側型で病側顔面と健側半身の感覚障害が55.6%にみられた. MMIは上部病変が66%, LMIは中部病変が66%であった. 上部病変では顔面麻痺, 中部病変で吃逆が高頻度に認められ, 入院時のMRIで偽陰性が有意に多かったことから, 急性発症の顔面麻痺や吃逆を伴う半身の感覚障害を呈するときには延髄梗塞が強く疑われる.

著者関連情報
© 2007 日本脳卒中学会
前の記事 次の記事
feedback
Top