脳卒中
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原著
Pure dysarthriaの局所脳循環 : 3D-SSPによる検討
岡本 憲省鴨川 賢二奥田 文悟川端 啓太立花 久大
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2007 年 29 巻 4 号 p. 508-513

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抄録
【背景・目的】脳梗塞によるPure dysarthria (PD) の発症機序を明らかにするために, 責任病巣と脳血流について検討した. 【方法】対象は18名の構音障害を主症状とする脳梗塞患者である (男性9名, 女性9名 平均70.4±10.5歳). 病巣は11名が両側の多発性ラクナ梗塞, 4名が左側の内包・放線冠梗塞, 3名が橋梗塞であった. 脳血流は構音障害が持続していた発症10日以内に測定した. 123I-IMP SPECTによる3D-SSP統計画像を用いてPD群と対照群9名との群間比較を行った. 【結果】全例で両側性の血流低下が認められた. 特に, 前頭葉の弁蓋部で血流低下が顕著であった. 群間比較では, PD群において前頭葉の弁蓋部と内側部での血流がとくに左半球で低下していた. 【結論】3D-SSP解析により, 前頭葉の弁蓋部と内側部の血流低下がPDの発現機序に関与していることが示唆された. また半球間の比較では, 右半球よりも左半球の機能障害がより強くPDの発症に関与していることが示唆された.
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© 2007 日本脳卒中学会
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