抄録
【目的】Prehospital Stroke Life Support(PSLS)およびImmediate Stroke Life Support(ISLS)を通した当院でのrt-PA静注療法の結果について解析した.【方法】対象は治療を行った連続39例で,治療効果について検討し,PSLS/ISLSを導入する前後で治療開始までに要した時間を比較した.またNIHSSと倉敷病院前脳卒中スケール(KPSS)の相関についても解析した.【結果】rt-PAの有効率は61.5% でmRS 0–1となったものは36% であった.症例数は後期で有意に増加(rt-PA/急性期脳梗塞入院症例:27/208例,13.0%)し,治療までに要した院内時間は後期で有意に減少(前期:93分,後期:76分)し,NIHSS/KPSS間には有意な正の相関(r=0.78)が得られた.【結論】PSLS/ISLSの効果で治療の迅速化と症例数の増加に繋がったものと推察された.