2010 年 32 巻 1 号 p. 64-67
遺伝子組み替え組織型プラスミノーゲン・アクティベータ(recombinant tissue-type plasminogen activator:rt-PA)であるアルテプラーゼ (348,000IU/kg)を静脈内投与した脳塞栓症例が投与後約9時間で重篤な出血性梗塞となり,救命のため外減圧術を行った.外減圧術を開始したのはアルテプラーゼ投与終了後約15時間を経過した時点であった.皮膚切開から閉頭に至るまで,止血不良を感じることは全くなく,術後の頭部CTスキャンでも術後出血は認められなかった.少なくとも,アルテプラーゼ投与終了後約15時間を経過していれば,安全に開頭術が行えるということが明らかとなった.