抄録
【目的】脳卒中患者における回復期リハビリテーション内容の違いが退院後のADLに与える影響を明らかにすることである.【方法】FIT programを受けた脳卒中患者81名(FIT群)と従来型の訓練を受けた脳卒中患者49名(Pre-FIT群)を対象に退院18カ月後のADLを調査した.当院入院時と退院時にFIMを記録し退院18カ月後はFIM質問紙(Flow-FIM)を用いて郵送調査した.【結果】FIM運動項目合計点(FIM-M)はPre-FIT群が入院時50.5点,退院時68.7点,退院18カ月後64.0点でFIT群が入院時52.8点,退院時75.6点,退院18カ月後71.8点であり退院時と退院18カ月後はFIT群が有意に高かった(p‹0.05).退院18カ月後のFIM-M各項目における6点と7点の全体人数に占める割合は,13項目全てでFIT群がPre-FIT群よりも高い割合を示した.【結論】FIT programの効果は退院18カ月後まで残存していたため,退院時のADLを高くすることは,維持期のADLに寄与する.