脳卒中
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原著
簡易嚥下誘発試験と水飲み試験を用いた脳梗塞急性期の嚥下評価
神谷 雄己市川 博雄栗城 綾子清水 裕樹齋藤 悠笠井 英世鈴木 衛佐藤 温河村 満
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2010 年 32 巻 3 号 p. 254-260

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抄録

【目的】脳梗塞急性期患者に簡易嚥下誘発試験(SSPT)と水飲み試験(WST)を施行し,嚥下性肺炎発症との関連について検討した.【対象・方法】急性期脳梗塞患者127例に対し,食事開始前の入院翌日までにSSPT,WSTを連続して施行した.【結果】18例(14.2%)が肺炎を発症した.WSTは14例(11.0%)に施行不能であったが,SSPTは全例に施行可能であった.SSPT,WSTいずれかの検査において異常反応,もしくは施行不能であった場合を“嚥下スクリーニング検査異常”とした場合,その他の因子から独立して肺炎発症と有意な関連を認め(p=0.012,オッズ比 9.79,95%信頼区間 1.64–58.43),感度88.9%,陰性反応的中率97.5%であった.【結論】SSPT,WST両検査を併用したスクリーニング法は脳梗塞急性期の嚥下性肺炎発症リスクの評価に有用である.

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© 2010 日本脳卒中学会
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