脳卒中
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原著
rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法の承認後4年間の全国における実施状況調査~地域格差の克服に向けて~
岡田 靖峰松 一夫小川 彰今中 雄一関本 美穂端 和夫山口 武典
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2010 年 32 巻 4 号 p. 365-372

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抄録

【目的】急性期脳卒中診療の実態および地域格差を明らかにする目的で,都道府県別,二次医療圏別のアルテプラーゼ静注血栓溶解療法(rt-PA療法)実施状況を検討した.【対象と方法】rt-PA療法承認後4年間に,同治療を実施したと回答した医療機関全てを対象として,rt-PA療法実施率とその経年的変化を二次医療圏別に比較検討した.【結果】rt-PA療法承認後4年間のrt-PA療法実施症例数の推計は22,491例で,65歳以上人口10万人当たりのrt-PA使用症例数は経年的に増加し,rt-PA療法が全く実施されなかった二次医療圏数は2年目の61/348医療圏(18%)から4年目には44/348医療圏(13%)へと減少した.rt-PA療法実施率は都道府県,二次医療圏間で著しい地域格差がみられた.【結論】行政の積極的関与による脳卒中啓発活動の実施,救急搬送体制の整備などが望まれる.

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© 2010 日本脳卒中学会
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