抄録
われわれは熊本地域で脳卒中地域連携パスを紙ベースで運用してきたが,データの保管や質の維持が困難なことや,データ収集と分析作業が繁雑であることなどの問題があった.これらを解決するために脳卒中地域連携パスの電子版を開発した.ファイルメーカーPro®を用いて紙の地域連携パスと同じレイアウトで作成した.入力後は印刷し,紙の地域連携パスとして運用し,入力したデータは各施設で保存し,後日電子データとして定期的に収集,連結し,分析することとした.ほかのデータバンクとのデータの相互移動のオプションも設定した.2009年10月に配布を開始し,従来の紙の地域連携パスと共存しながら,徐々に電子化導入を促進していった.2010年9月に1152症例のデータ収集を得た.個人情報の扱いについては今後もさらなる検討が必要である.