2010 年 32 巻 6 号 p. 680-683
rt-PA静注療法の認可を契機に住民への啓発,病院前救急医療システムの整備,院内診療体制の整備が進んでいる.しかし,rt-PA静注療法の施行例が激増しているわけではない.住民が脳卒中の可能性を判断し救急要請することについての啓発が十分ではないと思われる.日本脳卒中協会などによる全国的な啓発活動に加え,各地域では密接した方法で情報提供し理解を求めてきた.そのうち,講師から一方向的に情報が提供される講演会形式の啓発活動についてはその効果に限界があるように思われる.そこで,来場者が興味ある情報を自ら学習出来るイベント形式の啓発活動を行った.寸劇により脳卒中の症状と救急要請の仕方をわかりやすく紹介した.今後はこの形式で啓発を続ける予定であるが,一方では啓発効果の評価は難しく何らかの方法を開発する必要もある.