脳卒中
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事例報告
イントロダクション:TIAのパラダイムシフト
岡田 靖森 真由美矢坂 正弘詠田 眞治
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2010 年 32 巻 6 号 p. 704-709

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抄録
一過性脳虚血発作(TIA)は発症後短期間に高率に脳梗塞を続発し,早期の検査・治療開始が脳梗塞発症の危険性を低下させる.ABCD2スコアはTIA発症後早期の脳梗塞発症危険度を簡便に予測できる.さらに頸動脈狭窄の有無,MRIの結果などを加味して危険度を評価し,包括的な内科治療および外科的治療を含めた,病態に沿った治療選択が重要である.TIAは脳梗塞に至る直前,崖っぷち段階の予防期と認識し,急性脳血管症候群として急性期脳梗塞と区別せずに診療する.これからのTIA診療は,脳卒中医療の新たなパラダイムシフトと捉え,医療従事者,市民への啓発をいっそう推進していく.
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© 2010 日本脳卒中学会
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