脳卒中
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原著
J-ACT II:血管閉塞部位別の再開通率・転帰の違いについて
平野 照之
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2010 年 32 巻 6 号 p. 773-777

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抄録

【背景および目的】MCA閉塞例での血管閉塞部位別の再開通率・転帰の違いを明らかにする.【方法】投与前MRAで計測した残存血管長から6時間,24時間での再開通を分けるカットオフ値を求め,ロジスティック解析によって有効再開通および3カ月後の転帰良好(modified Rankin scale 01)の予測因子を検討した.【結果】ROC解析から5.3 mmがカットオフ値となった.M1<5 mm 12例の再開通率(6時間16.6%,24時間25.0%)は,残り45例の再開通率(62.2%,82.2%)より有意に低く(p=0.008,p<0.001),転帰良好例も有意に少なかった(8.3% vs. 57.8%,p=0.004).ロジスティック解析では,残存血管長<5 mmのみが非再開通と転帰不良の予測因子であった.【結論】M1起始部閉塞例(残存血管長<5 mm)は,再開通率が低く転帰も不良である.

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© 2010 日本脳卒中学会
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