脳卒中
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原著
Branch atheromatous diseaseにおける進行性脳梗塞の頻度と急性期転帰
星野 晴彦高木 誠山本 康正石橋 靖宏寺山 靖夫武田 英孝棚橋 紀夫足立 智英田口 芳治高嶋 修太郎田中 耕太郎安井 敬三鈴木 則宏
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2011 年 33 巻 1 号 p. 37-44

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抄録

【目的】BADにおける進行性脳梗塞の頻度と急性期転帰を検討した.【方法】対象は8施設で2008年に入院となったレンズ核線条体動脈(LSA)と傍正中橋動脈(PPA)に限局する発症7日以内の脳梗塞413例.BADの定義は,LSA領域梗塞では頭尾方向で20 mm以上の梗塞巣,PPA領域梗塞では橋腹側に接する特徴的な梗塞巣を呈し,主幹動脈狭窄や心房細動を合併しないものとした.【結果】BADはLSA梗塞305例中の43.6%,PPA梗塞108例中の50.9%に認めた.入院後神経症状増悪したのは,LSAのBAD群30.1%対非BAD群15.7%,PPAでは43.6%対9.4%であった.退院時mRS 0–1は,LSAのBAD群40.5%対非BAD群60.0%,PPAでは36.5%対67.6%であった.【結論】BADはLSAとPPA梗塞の約半数をしめ,進行性脳梗塞となりやすく,急性期の転帰が不良であった.

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© 2011 日本脳卒中学会
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