脳卒中
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症例報告
塞栓除去デバイスにて完全開通が得られた内頸動脈閉塞症の一例
土屋 敦史高田 達郎野越 慎司大塚 快信渡邉 裕文吉江 智秀和久井 大輔長島 梧郎植田 敏浩
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2011 年 33 巻 2 号 p. 269-274

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抄録
tPA静注療法後にMerciリトリーバーを用いた血栓回収によって完全再開通が得られた内頸動脈閉塞の1例について報告する.症例は58歳男性,左片麻痺で発症し,発症40分後に搬送され,来院時NIHSSは10であった.拡散強調画像にて異常所見はごくわずかであり,MRAでは右内頸動脈の完全閉塞を認めた.tPA治療後に症状の改善は得られず,脳血管撮影を行うと右頸動脈分岐部の高度狭窄と内頸動脈先端部の閉塞を認め,動脈原性の塞栓症と診断した.そこで頸動脈分岐部にステント留置を行った後,Merciを用いて血栓回収を試みたところ,初回手技で血栓回収と共に中大脳動脈M1遠位部までの再開通が得られ,2回目の手技にて完全再開通が得られた.術後神経症状は著明に改善し,退院時mRSは1であった.Merciを用いた血行再建術は,再開通が困難で転帰不良と考えられた内頸動脈閉塞に対する有用な治療手技となる可能性がある.
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© 2011 日本脳卒中学会
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