脳卒中
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原著
病院当直体制導入後の血栓溶解療法施行患者の転帰
西村 寿貴松平 敬史高橋 正年片多 史明福武 敏夫
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2012 年 34 巻 3 号 p. 156-160

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抄録

2006年4月から当院では超急性期脳梗塞患者に対してrt-PA静注療法を開始した.24時間円滑に投与できる体制の確立が必要であると考え,2009年1月から脳梗塞治療を担当する神経内科医の夜間の勤務状態を院外拘束体制から院内当直体制に変更した.院内当直体制(当直群)でのrt-PA投与例とそれ以前の投与群(過去群)の間で検討した.患者背景に両群間で有意差はなかった.発症から投与までの時間に有意差はなかったが,投与前のMRI施行率は当直群で高かった(81% vs 21%,p<0.001).3カ月後のmRS 0-1の割合は当直群で多かった(38% vs 16%,p=0.01).rt-PA投与を行う施設では,脳梗塞治療に従事する医師を24時間病院内に待機させることで患者の予後を向上させる可能性があると考えられた.

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© 2012 日本脳卒中学会
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